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デジタル・トランスフォーメーションとは?

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デジタル・トランスフォーメーションという言葉を見聞きする機会が増えたと思います。
特にコロナ感染により消費者の行動パターンが変わったことにより、この流れに乗って生き残れる企業とそうでない企業は分かれてきています。

デジタル・トランスフォーメーションの定義としては、ビジネスや生活の領域にデジタルテクノロジーを導入することによって顧客に提供する価値の伝え方を変革する、ということになります。

ここでデジタルテクノロジーとは、AIやクラウドサービスのようなIT技術であり、これをベースにしたシェアリングやサブスクリプションなどのビジネスモデルの変革も含みます。

2018年9月、経済産業省は”ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開”というデジタル・トランスフォーメーションに関するレポートを発表しています。

このレポートによると、多くの経営者がデジタル・トランスフォーメーションの必要性については、理解しているものの、

  • 既存システムが複雑化・ブラックボックス化しており、
  • 業務の見直しや既存システムへの変革に対する現場の抵抗の中、どう実行に移せるか

といった問題点を指摘しており、この問題が解決できず、デジタル・トランスフォーメーションが実現できなければ、最大で年間12兆円の経済損失が発生するとしています。

この問題を放置した場合とデジタル・トランスフォーメーションが実現した場合の経済産業省が示すシナリオをまとめますと、

当事者 放置した場合のシナリオ 実現した場合のシナリオ
ユーザー 爆発的に増加するデータを活用しきれず、デジタル競争の敗者に 技術的負債を解消し、人材・資金を維持・保守業務から新たなデジタル技術の活用にシフト
多くの技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持・継承が困難に データ活用等を通じて、スピーディな方針転換やグローバル展開への対応を可能に
サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失・流出等のリスクの高まり デジタルネイティブ世代の人材を中心とした新ビジネス創出へ
ベンダー 技術的負債の保守・運用にリソースを割かざるを得ず、最先端のデジタル技術を担う人材を確保できず 既存システムの維持・保守業務から、最先端のデジタル技術分野に人材・資金をシフト
レガシーシステムサポートに伴う人月商売の受託型業務から脱却できない 受託型から、AI、アジャイル、マイクロサービス等の最先端技術を駆使したクラウドベースのアプリケーション
提供型ビジネス・モデルに転換
クラウドベースのサービス開発・提供という世界の主戦場を攻めあぐねる状態に ユーザにおける開発サポートにおいては、プロフィットシェアできるパートナーの関係に

となり、経済産業省はデジタル・トランスフォーメーション実現のための対応策として、見える化指標や診断スキームの設定、DX人材の育成・確保等をあげています。

経済産業省のシナリオの信憑性はともかくとして、コロナの緊急事態宣言下において、多くの飲食業・宿泊業・建設業等の企業が苦境に陥る中、

オンライン会議で在宅勤務・テレワークというライフスタイルの変革を進めたZOOMや宅配・デリバリーサービスのUber Eats(ウーバーイーツ)はデジタル・トランスフォーメーション実現のよい例と言えます。

ZOOMもUber Eats(ウーバーイーツ)も自らが、コンテンツ配信や飲食店を持つわけではなく、オンライン会議サービス・デリバリーサービスというプラットフォームを提供しています。

同じことはFacebookやAirbnb(エアービーアンドビー)についても当てはまります。
コンテンツを配信するのはFacebookではなく、投稿者です。
Airbnbも自らは宿泊施設を保有していません。

航空会社やホテル業などの装置産業は、物理的な人の流れがストップすると弱いですが、このような自らは資産を持たない企業は、逆に力を発揮します。

例えばVR(仮想現実)やAR(拡張現実)により旅行体験ができるようになれば、飛行機にも乗らず、ホテルに宿泊もせずにレジャーを楽しむことができます。

デジタル・トランスフォーメーション実現のためには、いかに資産を持たずに稼げるモデルを提供できるかといった側面も重要になることと思います。

 

 

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