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出前館はどのようにデリバリー網を築いたか

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@出前館


コロナによる外出自粛によって多くの飲食店が苦境に直面しています。
そのような状況でも飲食店が活路を見出す方法としてデリバリーサービスがあります。

出前は江戸時代からある日本の文化とも言えます。

私も子供時代、ラーメン屋や寿司屋、そば屋の出前が来るのをワクワクしながら待っていた記憶があります。

ウーバーイーツや出前館のデリバリーサービスは現在の社会インフラと言ってもよく、特に今回のようなコロナ状況下では、飲食店と利用者のブリッジとなる重要な存在だと思います。

出前館は元々デリバリーサービスのある飲食店を紹介するサイトでしたが、途中から自社でデリバリーサービスを開始することになりました。

しかし、デリバリーのノウハウや人員、バイク・自転車もない出前館はどのように自社でデリバリーサービスを開始することができたのでしょうか?

出前館は朝日新聞の販売店と提携をすることにしたのです。

新聞代理店であれば、配達員・バイク・自転車と全てのリソースが揃っています。
毎日毎日、新聞を配達していますので、地域の地理にも精通しています。

しかも朝日新聞の販売店となれば、その配達網は全国版です。

新聞販売店側にももちろんメリットがあります。

新聞の発行数が減少している現在、フードデリバリーによる新たな収益を生む出すことができます。
また新聞の配達は朝夕の時間に限定されてしまいますが、フードデリバリーであれば、これ以外の時間を充当することができます。

このように自社にないリソースを外部から調達することで自社のサービスを拡充することは、リソースに制限がある中小企業には重要な戦略ポイントになります。

外部と提携する際には、相手側にもメリットがあることを示せれば、完璧です。

そして最後のひと押し

出前館は朝日新聞にこの提携話を持ち掛けたときに回答期限を2週間と限定し、できない場合は競合先に話を持っていくと伝えたそうです。

結果は2週間後に提携受諾の返事がありました。

ビジネス提携は対等なパートナー精神と対等にリスクを取ることが基本だと思います。

話を持ち掛ける側が不要にへりくだる必要もありません。

お互いにWin-Winの関係が築けることを主張できれば、このような提携も実現するのです。

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